医療法人の出資持分に係る相続税の納税猶予制度の創設

持分あり医療法人の場合、医療法人の出資持分は株式に近い財産権を有します。よって、医療法人への出資者が死亡した時は、当該出資持分は相続税の課税対象となりますが、剰余金の配当が禁止されているため、出資持分に対する相続税評価額が大きくなる傾向があります。そのため、相続時の納税資金の確保が困難となり医療法人の事業承継の大きな障害となっていました。

この問題を解決すべく相続税の納税猶予制度が創設されました。

この制度は
1.相続人が持分の定めのある医療法人の出資持分を相続等により取得した場合に、
2.その医療法人が相続税の申告期限において認定医療法人であるときは
3.担保提供を条件に
4.当該相続人が納付すべき相続税額のうち、当該出資持分に対応する相続税額については
5.移行計画の期間満了までその納税額を猶予し
6.移行期間内に当該相続人が出資持分のすべてを放棄した場合は
7.猶予税額を免除する
というものです。

「認定医療法人」とは、「良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律に規定される移行計画について、認定制度の施行の日から3年以内に厚生労働大臣の認定を受けた医療法人」とされています。

厚生労働大臣は、移行計画の認定の申請があった場合で、その計画が次のいずれにも適合すると認められるときに認定します。

(1)移行計画がその申請をする経過措置医療法人の社員総会において議決されたものであること

(2)移行計画が新医療法人への移行をするために有効かつ適切なものであること

(3)移行計画に記載された以降の期限が厚生労働大臣の認定の日から起算して3年を超えない範囲内のものであること

本制度は「持分なし医療法人」への移行促進策と位置付けられ、移行前に出資者の相続等により発生した相続税等の納税を猶予する税制上の緊急避難措置となっていますので、移行計画には持分なしへ移行する計画を含む必要があります。

しかし、移行計画がどのような条件を満たせば税負担を生じることなく移行できるのかが現時点で詳細がまだ明らかになっていませんので今後の法律の改正の動向を留意する必要があります。

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