東京都が外国企業誘致で税制追加優遇を提案

東京都は国の「国際戦略総合特区」に指定されている「アジアヘッドクォーター特区」において外国企業に対する都税の減税拡充に踏み切る意向を見せています。「アジアヘッドクォーター特区」とは、都が規制緩和や税制優遇措置等を実施して外国企業誘致プロジェクトを実施するエリアのこと。新たな成長軌道に乗せるため、アジア・ナンバーワンのビジネス拠点づくりをすることを目的とするものです。

この中で東京都は、東京都心・臨海地区など都内5地域を特区に指定し、5年間でアジア地域の業務統括拠点・研究開発拠点となる企業50社を含む外国企業を500社以上誘致することを目標としています。特区内に新たに進出する外国企業は、一定の条件を満たした場合、国税の優遇措置として(1)所得控除、(2)特別償却、(3)投資税額控除のいずれかひとつの適用を受けられ、都の上乗せ措置は法人事業税の免除や固定資産税、都市計画税、不動産取得税の免除が受けられるというものです。

これまで東京都は、法人実効税率40.7%を特区適用と都の独自減税で28.9%に下げてきました。これにより、復興増税(法人税額10%)終了後は20%台半ばとなり、ソウルなどのアジア諸都市と競争可能な水準とります。経済効果は全国へ波及し、外国企業500社を誘致した際の経済効果に建設波及効果を加えると、経済効果は約14兆6000億円、雇用誘発効果は約93万人にのぼると試算しています。

この7月、太陽光発電システムの設計から施工、管理、資金調達支援まで幅広く事業を展開する、欧州最大規模の事業者であるベルギーの「イカロス社」の誘致に成功。イカロス社は、都の支援を受けて、日本でのビジネスパートナーの選定等の検討を進め、(株)ライジングコーポレーションとの合弁会社を特区に設立することで、日本への進出を決定しています。

「国際戦略総合特区」は都だけでなく、関西では大阪府・京都府など6自治体が共同で「関西イノベーション国際戦略総合特区」に取り組むなど、2011年12月に全国で7地域が第1次指定されています。

 

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