IASB公開草案「負債の分類(IAS 第1号の修正案)」に対して公認会計士協会が意見を発表

負債の分類(IAS 第1号の修正案)について

平成27年2月10日に国際会計基準審議会(IASB)から、公開草案「負債の分類(IAS 第1号の修正案)」が公表され、公認会計士協会に意見が求められました。
日本公認会計士協会(会計制度委員会)では、当該公開草案に対するコメントを取りまとめ、平成27年6月10日付けで提出しました。

以下抜粋になります。

質問1-報告期間の末日現在の企業の権利に基づく分類
IASB は、負債を流動又は非流動のいずれに分類するのかは、報告期間の末日現在で
存在している権利を基礎とする旨を明確化している。これを明確にするため、IASB
は次のことを提案している。
(a) 基準の第 73 項における「裁量権」を「権利」に置き換えて、基準の第 69 項(d)
の要求事項に合わせる。
(b) 基準の第 69 項(d)及び第 73 項において、報告期間の末日現在で存在している権
利だけが負債のこうした分類に影響を与えるべきであることを明示する。
(c) 基準の第 69 項(d)から「無条件の」を削除して、「無条件の権利」を「権利」に
置き換える。
この修正案に同意するか。賛成又は反対の理由は何か。

【コメント】
負債を流動又は非流動のいずれに分類するのかは、報告期間の末日現在で存在してい
る決済を延期できる権利を基礎とする旨を明確化することに同意する。また、第 69 項
(d)と第 73 項に対して、上記(a)、(b)の修正を行うことが、その明確化につながること
に同意する。
ただし、(c)の「無条件の」を削除した場合、報告期間の末日現在で決済を延期でき
る権利は存在しているが、条件により行使可能でない場合を排除できない懸念がある。
したがって、決済を延期できる権利は、報告期間の末日現在で行使可能なものであるこ
– 2 –
とを明確にすべきと考える。
また、以下のような状況では、報告期間の末日に決済を延期できる権利が存在するか
どうか明確でないと考えられるため、例示を追加する等の明確化が必要であると考える。
 コベナンツ(注1)の基準日自体は報告期間の末日の後であるが、報告期間の末日にコベナ
ンツに当てはめた場合にコベナンツ違反に該当する場合

より詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。

(注1)コベナンツとは?
コベナンツは、本来の意味は「約束、誓約」で、金融機関(資金供給者)が融資(シンジケートローン、ノンリコースローン、LBOローン等)や社債などの取り組みにあたり、契約内容に記載する一定の特約条項(義務、制限等)のことをいう。本特約は、資金供給者側に不利益が生じた場合に、契約解除や条件変更ができるように契約条項中に盛り込まれるものである。

例えば、銀行のシンジケートローンでは、原則、銀行取引約定書の適用対象外であり、無担保・無保証の契約もあることから、参加金融機関として融資先(資金調達先)の業況や財務内容を確認(モニタリング)することが必要になり、本条項が契約書に記載される。その一般的なものとしては、報告・情報提供義務条項、担保制限条項(ネガティブ・プレッジ条項)、資産譲渡制限条項(アセット・ディスポーザル条項)、財務制限条項、格付維持条項、事業維持条項、財政維持条項などがある。

なお、コベナンツは、大型の資金調達だけでなく、不動産担保や第三者保証に依存しない通常の融資でも活用されることがあり、これを「コベナンツ条項付融資」などという。本融資は、日本ではまだ一部の金融機関でしか取り扱われていないが、その仕組みは、借入れを希望する企業が担保や保証を提供する代わりに、一定の財務比率等について金融機関にその遵守を約束し、金融機関はそれを前提に融資を実行するというもので、もし企業がその約束に違反した場合は融資を回収するのが原則となっている。

 

 

関連記事

  1. IAESB会議が開催されました(2015年4月20日)

  2. IASBが、SME向けIFRSの限定的修正を提案

  3. IASBが年金会計の狭い範囲の修正を提案

  4. IASBワーク・プランの更新

  5. 開示・監査制度の在り方に関する提言

  6. 自民党・日本経済再生本部の「日本再生ビジョン」に、IFRSの任意適用企…

カテゴリー