「モノづくり」の考え方を見極めるのがまずは大事
生産管理システムは主に基本的には製造業に対して必要とされます。一口に製造業といっても、そのモノづくり精神は各社各様に異なってきます。 作っているものの種類が異なるのはもちろん、工場や設備、生産数量、外注先との関係など、様々な要素があります。 今回はどの中でもまずは押さえておきたい5つの視点をピックアップします。
【視点1】受注生産か、見込み生産か
注文を受けてから作るのが受注生産、注文を受ける前に作るのが見込み生産です。
分かりやすい例を挙げると、特殊な工作機器や注文住宅が受注生産ですね。
逆に量販店で売っている洋服や電気製品など、その他大半のものが見込み生産です。
受注生産では、個別仕様になるためどうしても生産リードタイムが長くなりがちです。また受注のあるなしで、工場の操業が変わってくるため、固定費のマネジメントが大事になります。
ですから受注生産での課題は、「リードタイム短縮」、「受注の平準化による工場操業度維持」と言えるでしょう。
見込み生産では、ある程度の需要予測をもとに生産を開始します。ですから課題は「需要予測の精度向上」、「予測と実績にずれが生じた場合に柔軟に対応できる体制づくり」となります。
【視点2】少量多品種か、大量少品種か
少量多品種の方が原価が高くなりがちですが、顧客ニーズには近づけます。
この場合は、品目マスタのデータ量は多いものの、トランザクションは少なくなります。
逆は逆ですね。
【視点3】Pull型かPush型か
これは生産指示のタイミングの話です。
後工程から引き出すように生産が開始されるのがPull型。
逆に、前工程から押し出されるように生産が開始されるのがPush型です。
かの有名なトヨタ生産方式はPull型ですね。
これにより、仕掛在庫の削減、リードタイム短縮が実現されています。
【視点4】フローショップ型かジョブショップ型か
これは工場のレイアウトの分類です。
フロージョブ型は、製品の加工工程順に機械設備が配列されています。
一般的には見込み生産、量産向きと言えます。
逆にジョブショップ型は同じ機能・種類の機械を1か所に集中配置するレイアウトです。
どの機械で加工するかは一定ではありません。融通性が高いのが特徴です。受注生産、多品種少量生産向きですが、生産性が低いという難点があります。
【視点5】個別生産か、ロット生産か、連続生産か
生産方式の分類です。
- 個別生産
- ロット生産(バッチ生産)
- 連続生産(プロセス生産)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
5つの視点にまとめてみましたが、まだまだ他にも重要な視点はあるかもしれません。
また、実務では、同じ会社でも例えば受注生産もあるし見込生産もあるという具合に、ハイブリットな状況が多くあるでしょう。
その場合には、個別の製品ごとに見ていく必要があるでしょうね。 いずれにしてもまずは現場を知ることが、いい生産管理システムを入れる第一歩となります。