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日本の製造業が目指すべきスマートファクトリーとは?

スマートファクトリーという言葉はご存じでしょうか?昨今では人工知能(AI)やブロックチェーンという言葉はビジネス誌でも良く見ますが、スマートファクトリーとなると、やや専門性の高い雑誌や書籍で見る程度かと思います。

そこで今回の記事では、スマートファクトリーとは何か?そしてスマートファクトリーが実現すると世の中はどうなるのかをご説明したいと思います。

スマートファクトリーとは?

スマートファクトリーの定義は、Wikipediaを見ると次のように書かれています。

スマートファクトリー (Smart Factory) とは、ドイツ政府が提唱するインダストリー4.0を具現化した形の先進的な工場のことを指す。
センサや設備を含めた工場内のあらゆる機器をインターネットに接続 (IoT:Internet of things) し、品質・状態などの様々な情報を「見える化」し、情報間の「因果関係の明確化」を実現し、設備同士 (M2M:Machine to Machine) ないし設備と人が協調して動作する (Cyber-Physical System) ことにより実現する。

Wikipediaより

生産管理システムの専門家であり、大学院で教鞭もとる清威人氏は、スマート・ファクトリーの定義として「ERPなどの基幹システム、製造実行システム(MES)、現場のFA機器がネットワークでつながった工場」と語られています。

最終的に実現したいのは、工場と経営の一体化による全体最適です。そのためには、ネットワークでつながるだけではなく、各システム、機器から得られたデータの相関分析を行うことが重要になります。

日本の製造業では、CADや生産管理システムを使っているところも多く、その意味ではデータを取得している会社は多いと予想されます。しかし、その分析まではなかなかできていないのではないでしょうか。

スマートファクトリーで世の中はどう変わる?

スマートファクトリーの実現には、CADや生産管理のシステムだけではなく、RFIDや各種センサー等のIoTは必須でしょう。また、部品の追跡のためにブロックチェーンが用いられるようになるかもしれません。

また、家庭に普及が進んでいるスマートスピーカーが工程の歩留まりについて教えてくれたり、納期回答してくれるようになることもありうるでしょう。

そうすると工場内のあらゆる情報が集約され、その結果製造に使用される電力量、消費電力のピーク時間帯、短時間の停止が発生している機器の有無、累計停止時間といった全体最適化につながるような分析が可能になるはずです。

もちろんこれを実現するための設備投資は大きいでしょうが、その代わり工場の操業動画最適され、人件費や光熱費の削減、あるいは歩留まりの改善による原価低減といったことが実現するでしょう。

また、より早く、低コストな個別受注生産も可能になります。

スマートファクトリーによって、私たち消費者は、より良い商品をより安く入手することが出来るようになるでしょう。

このような意味でも、製造業にはぜひ頑張っていただきたいところです。

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