IASBが「概念フレームワーク」に関するディスカッション・ペーパーを公表

国際会計基準審議会(IASB)は、2013年7月17日、IASBの「財務報告に関する概念フレームワーク」の考え得る変更を検討したディスカッション・ペーパーを、一般のコメントを求めるため公表しました。本ディスカッション・ペーパーは、改訂「概念フレームワーク」の公表へ向けての第一歩と位置づけられます。

「概念フレームワーク」は、財務諸表の作成及び表示の基礎となる概念を示すものです。IASBがIFRSの開発及び改訂を行う際に使用する原則を識別しています。

現行の「概念フレームワーク」は、IASBが高品質のIFRSを開発してそれにより財務報告を改善することを可能にしてきました。しかし、いくつかの重要な領域を扱っておらず、一部には更新が必要なガイダンスがあります。

2011年に、IASBはアジェンダについて優先事項を識別する際の助けとするための広範な公開協議を実施しました。この協議へのコメント提出者の大半は、「概念フレームワーク」に関する作業を優先順位の高いものとして識別されています。

このディスカッション・ペーパーは、IASBが改訂「概念フレームワーク」の公開草案を開発する際に検討することとなる重要な論点に関して、初期的な意見及びコメントを得るように設計されていて、論点には以下の事項が含まれています。

● 資産及び負債の定義
● 認識及び認識の中止
● 持分と負債との区別
● 測定
● 表示及び開示
● その他の包括利益(OCI)

このディスカッション・ペーパーの公表についてのコメントとして、IASB議長Hans Hoogervorst氏は次のように述べています。

「『概念フレームワーク』はIFRSの作業の土台となるものであり、我々が開発するすべてのIFRSに影響を与える。本ディスカッション・ペーパーは、我々の作業を導く概念を議論することによって、財務報告の将来を我々が形成することに協力する機会を人々に与えるものである。」

ディスカッション・ペーパー「財務報告に関する概念フレームワークの見直し」は、2014年1月14日までコメントを求めています。コメントレターの形式でインプットを求めることに加えて、IASBは、本ディスカッション・ペーパーで扱っている領域に関するフィードバックを得るためにアウトリーチ・プログラムを実施しています。

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